皿そば日記

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zoom RSS 佐原紀行(山車と古書店、千葉県佐原市)

<<   作成日時 : 2010/10/09 18:43  

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休みの土曜日に野暮用。
終わったのは12時過ぎ。すぐに出発する。目的地は佐原だ。

 “佐原”と書いて、“さわら”と読む。そう思っていたが、本当は“さはら”。でも、砂漠ではない。もっとも幕末の時は、佐幕派だ。ちょっと調子に乗り過ぎかな。ついでに、佐原には簡易裁判所がある。そのこころは、・・・・。

 文が乱れたので、まじめに書く。
佐原は、千葉県の北部、茨城県との境に位置し、江戸時代に水運で栄えた町だ。物流の拠点となって冨を蓄え、江戸の文化を取り入れ熟成させていった。
 しかし、陸上輸送網が発達した現在、物流の中心から遠く離れてしまった。でも幸運なことに、昔ながらの町並みが今に残る。

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 訪れたのは昨日(10/2)だ。いつもはあまり人がいないのに、伊能忠敬会館前に人だかりである。何事か。
近づけば、小野川に架かるジャージャー橋を夾んで、二台の山車がこちらを向いて止まっている。山車の上から、やたらに大きい公家風の人がこちらを見下ろす。お祭りではない。確か来週のはずだ。

 疑問を解く前に、周りの人が動き出した。二つの区の役員が橋の上でそれらしい挨拶をし、プレゼント(お酒)の交換をする。山車に乗る下座連が佐原囃子を奏でだし、曳き手たちが一斉に踊り出す。
 川の両側の道は狭い。若き曳き手たちは、見物人の顔の目の前で手をひらひらさせて川向こうに声を送る。品のよい、軽やかな動きに、心地よさを覚えた。

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 山車が動き出す。小野川の西岸にあった下川岸区の素戔嗚尊(スサノオノミコト)を戴いた山車がゆっくりと進む。
次いで、川を挟んで反対側を新橋本区の小野道風を載せたそれが並行して進む。
 私は、わけもなく皆がするように山車を追う。橋の上で小野道風の山車が直角に曲がろうとする。梃子や象鼻懸かりの連携が試されるところだが、掛け声とともに見事に切り抜けていく。

 近くの人に聞くと、祭りでもないのに山車が二台出ていたのは、山車の上に載る小野道風の像を新調したからだという。もう一つは、山車会館に展示している山車の交代があったからだ。
 別に新調しても来週披露すればよいし、山車会館からは結構距離があり、ここまで来る必要もない。
要するに、好きで好きで、何か理由を見つけて、
山車を曳き回したいだけなんですよね、と地元の人。

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 そうだ、訪問の目的は町並み散策だった。
でも、もういいだろう。小野川沿いに、旧家の前を山車が通るだけで絵になっている。堪能できた。山車だけに、味わい深い。


 佐原に来たときにいつも寄るところがある。それは、忠敬橋の近くにある古書店だ。店の前で鯛焼きを売っているからすぐわかる。
 この書店は実によい。見栄えがよくて売れそうな本ばかりを集めて流す、チェーンの古本屋とは全く違う。「日本の塔」(川添登著、淡交社、昭和39年)他5冊ほど仕入れる。古書店だけに、小粒でも香辛料のように存在感がある。
 意外にも。書店は若いお姉さんが切り盛りしている。好事家も納得する本をよく見つけてくるねとの問いに、大手の古本屋が捨ててしまう貴重な本を逃さないよう、探し回っていると言う。
 大手の古本屋の店員は、仕入れのマニュアルにない本にはもう一切対応できないそうだ。売れそうなものだけをリストアップ(当然コミックが多いだろう)したマニュアル、そこにない本について考えようとしない。怖いことだ。

考えることから逃げたらどうなるのか・・・。
 多少の汚れがあっても内容に価値のある本、貴重な文化を伝える本は、世の中から消えるようになっている。
それに抗して懸命に奮闘するこの書店主に敬意を表したい。


 “粋”という言葉を思い出した。
目先の利益から離れたところに価値を置き、美しく生きることだろうか。祭りにかかわる人たち、古書店主。不況下でいかに儲けたか、成功したか自慢げに語る人たちとはちょっと違う、人生意気に感じる人たちが、佐原にいる。

 野暮用で始まった休日だったが、粋を感じて帰ることができた。佐原は、町並み・お祭り以外にも、貴重なものを今に伝えてくれているようだ。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
昔、水運で栄えた佐原の町の行事を見せて貰いました!
歴史ある祭があるのですね!風情あるいい光景でした!
takaさん
2010/11/03 09:44

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佐原紀行(山車と古書店、千葉県佐原市) 皿そば日記/BIGLOBEウェブリブログ
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