皿そば日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 美濃紀行(真禅院と南宮大社、岐阜県垂井町)

<<   作成日時 : 2010/09/23 11:38   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 朝、大垣を発って国道21号線を西(関ヶ原方面)に走ると、やがて左手に南宮山(朝倉山)が迫ってきた。両側から養老山地と伊吹山に挟まれた交通の要衝関ヶ原を、西側濃尾平野側から塞いでいるのが南宮山だ。この南宮山(朝倉山)の麓に今回の目的地、真禅院三重塔はある。

画像


 朝倉公園の運動場と垂井町民体育館の間の道を分け入ると、すぐに真禅院の三重塔が目に入ってくる。九月に入り朝の風に秋の涼しさを期待したが、外は真夏だ。ただ、真禅院の参道は樹木に包まれて爽やかだ。それに掃除も行き届いていて気持ちがよい。聞くところによると、子どもたちも含め多くの人が寺の美化に協力しているとのこと。貴重な文化財が地元の人に大切にされているのはうれしい。
 本地堂を見る。入母屋造りに瓦葺きのお堂だ。妻入りの正面は、朱の柱や尾垂木、白壁に浅葱の連子窓が鮮やかだ。写真を撮ったが上手くいかない。木漏れ日が当たって明暗の差が大きく、私の腕では無理とあきらめた。三重塔を見る。楓や桜などの木々を従え、明るく彩色された塔が空に聳える。塔の正面も開けていて、晴れ晴れとした気持ちになった。ここまで来たことが報われたようだ。
 三重塔は相輪が長くバランスがよい。和様で、瓦葺きの屋根の反りはそれ程強くない。昭和の修復時には朱塗りだったようだが、今は桜色に近い感じがする。徳川家光の再建になるだけに、長押や蟇股には極彩色が施されている。
 真禅院の略縁起をみると、明治4年に移築されたとあった。あの廃仏毀釈か。神仏判然令によって多くの寺(神社も)は困難な状況に陥った。しかし真禅院は、南宮社執行真禅院秀覚法印の指導の下、献身的な村人の協力によって、二十近くの堂塔が南宮大社から1000mも離れたこの地に無事移築されたという。移築と簡単に言ってしまうが、近年行われている歴史的建造物の解体修理を思い起こせば、その大変さがわかる。
 塔一つとっても、柱はもとより垂木、斗に肘木(斗供)など、その部材は膨大な量であろう。さらに一つ一つに記号・番号を振って記録し、元の通りに再現する。人の好意という次元の活動ではなく、よほどの信仰心、信念がなければできない献身だ。しかも今のような機械もなく、人の力、手作業だ。私たちはその陰徳を見ている。

画像


 次なる目的地に向かうべく車を走らせる。すると南宮大社入口の大きな案内表示が目にはいる。仏塔巡りの旅だからやり過ごした。しかしどうも気になり、カーナビの地図を便りに右の路地を入って南宮大社にたどり着く。訪れてみてその美しさに目を見張った。朱塗りの眩しい立派な楼門とその前にある石輪橋、都と見まがう土壁と大きな灯籠が青空に映えて輝いている。

画像


 楼門から中に入る。境内は砂利を敷き詰め、拝殿の周りや本殿の前面に沿って幾何学模様の石の線が走る。他の神社ではあまり見ないものもある。拝殿の前両側に、人の丈ほどの縦に筋の入った鉄棒が立ち、棒の途中から拝殿に向かって唐草模様の蔓が伸びる。他の神社と何か異なる不思議な感じを抱いた。

画像


 調べてみると、南宮大社は延喜式に仲山金山彦神社とある美濃一宮だという。祀っているのは、金属の神である金山彦命(カナヤマヒコノカミ)である。美濃の国府の南に位置していることから南宮という名がついたようだ。先の装飾も、金属の神様に由来したものかもしれない。八百万の神というが、金属の神様は不見識にも知らなかった。 
 考えてみれば、青銅も鉄など、金属があって農業生産は飛躍的に向上したし、身を守るための戦いにも欠かせない。金属があってこそ暮らしが成り立つのだから、神様がいても不思議ではない。かく言う私自身も金属の車でもってここを訪れているのだ。日本には、人でも物でも、要は感謝という言葉の向こうに神様がいる。


 物であれ観念であれ、たとえ仮定であっても対象をはっきりさせて追究していくのは、科学の基本だ。しかし実社会でははっきりさせることは時に災いをもたらす。神仏判然令は、政府の意図に反して一部の扇動家によって仏教の排斥に及んでしまったという。 
 幸い真禅院は心ある人々の献身で今に残ったことは先に記した。真禅院も南宮大社も、私たちの生きようを振り返らせ導くありがたい存在だ。過去は過去として記録しても、いつまでも仲良くあってほしいなと願う。岐阜の仏塔を訪れて、柄にもなく話を広げて寺と神社の来し方行く末までを考えてしまった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
美濃紀行(真禅院と南宮大社、岐阜県垂井町) 皿そば日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる